咀嚼や嚥下を鍛える口腔ケア

加齢と共に体の機能が衰えくることにより、さまざまなケアが必要となる高齢者。中でも口腔ケアは、高齢者が元気に暮らしていくために、欠かせないケアの1つです。口腔ケアとは、口内を清潔に保ち、身体機能を保つために行うものです。高齢者は加齢に伴い、唾液の分泌が減り、口腔内の自浄作用が低下します。そのため、虫歯や歯周病の進行などの口腔内トラブルを招きやすくなります。自力でケアを行うことが難しい方には、特に介護者が行う必要があるでしょう。

口腔ケアには、主に「器質的ケア」と「機能的ケア」があります。器質的ケアには、歯磨き、舌や粘膜のケア、義歯のケアがあります。歯ブラシで、磨きにくい歯の根元や歯茎の間などを丁寧にブラッシングします。粘膜はスポンジブラシで、口蓋や頬の内側など汚れが溜まりやすい箇所を掃除します。義歯は、入れ歯洗浄剤に浸けるだけでなく、1日に1回は外して専用のブラシで細かいところを磨くようにしましょう。機能的ケアは、口腔内や口周辺のマッサージなどを行い、咀嚼力や嚥下力を鍛えます。

咀嚼や嚥下の機能低下は、誤嚥性肺炎の原因にもなります。また咀嚼=噛む力を鍛えることで、認知症や感染症の予防にも繋がります。口腔ケアは行うことで、食事も美味しく食べれて、栄養もしっかり摂ることができます。高齢者の身体機能や認知機能の維持にも、口腔ケアは重要です。長く元気でいるためにも、しっかりケアをしていきましょう。